後輩の結婚式に行って
よい式でした。お二人ともお幸せに。
スピーチが少ないせいか、皆かわるがわる壇上にいる新郎新婦と写真を取るようなゆったりとした会でした。そのスピーチで、お一方が朗読されていた吉野弘さんの「祝婚歌」が会場を深い感動に包んでおりました。
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち
どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ
胸が熱くなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい
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