夏のランニング・暑熱馴化

関東では梅雨もあけ、容赦なく暑い日が続いています。

なるべく早朝や日が落ちてからランニングしてますが、まだ体が暑さに慣れていないのか、二度ほど軽い熱中症の症状を起こして練習距離を短くしたり、コンビニで涼みつつ帰宅するなどしたことがあって、最初にひどい思いをしてから10日ほど。今朝のランはやっと少し楽に感じられました。

暑熱順化、と専門用語で言いますが、ネットで調べると7日〜10日でこれが完成するとある。しかし、ランニングのパフォーマンスに関してはどうかというと、あまりきちんとした研究が無かったようです。

Facebook つながりでこんな論文を紹介してもらいました。
デンマーク在住の自転車の選手で、摂氏10度以下の環境で生活していた状態から、気温34度のカタールに移動して、43.4キロのタイムトライアルを行う。移動前、移動直後、6日後、14日後のタイムトライアルは、平均で、66分、77分、69分、66分である。

結論としては2週間で暑熱順化は達成される、とあります。

そして暑熱馴化してない状態では、1度気温が上昇すると0.5%筋出力が落ちる、とあるので、大雑把にはランニングのスピードや、記録もそれくらい落ちると考えてよいでしょうか。

まあ、この研究もマラソンに活用できるかは但し書きがつきます。
・自転車で、VO2Max も 63ml/kg/min (無理やりフルマラソンのタイムを計算すると2時間36分というレベルになる)というかなりレベルの高い選手たちです。
・参加者は週の平均練習時間がもともと平均15時間弱。カタールに行ってからも13時間位は練習し、一日に外気温下で4時間は生活する。
・ 10度以下から、タイムトライアル時は36度平均の環境に一気に移動。ただしデンマークとカタールの時差は2時間なので、時差の調節は必要ない・していない。
・かなりの高温下で高負荷運動ですけど、運動時間は80分未満ですから、フルマラソンにこの結果が応用できるかは、分からない。

2週間のトレーニングで、例えばVO2Maxも増加する可能性がありますが、それよりもやはり循環血漿量の変化が大きいのだと推測されます。また、やはり2週間暑熱馴化しても、体温(正確には直腸温)は40度まで上昇しているので、体温上昇が抑えられているわけではなく、過酷な環境下での運動であることは変わりないようです。

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