シューズ考察・2

「考察」よりは「遍歴」が正しいか。

私が現在のようにランニングを始めたのは一昨年の11月。気を抜くとすぐに増える体重をなんとかしようとして思い立ちました。実はその年の正月に一念発起して少し走り始めたのですが、3月くらいに膝が痛くなったことと、仕事が忙しくて走る習慣はまたもなくなりました。

その頃に履いていた靴は、正直思い出せません。おそらくアメリカに住んでいた時代に買った(つまり5年以上たっている)リーボックか、メレルのランニングシューズだと思います。底は分厚くて重い。だけれどもせいぜい走れる距離が3キロくらいでしょうからまったく問題なかったのでしょう。しかし、膝が痛くなるのは勘弁してほしかったので、お店に行きました。でも専門店には行かずに、向かったのは御徒町の多慶屋。スポーツ店に行くのは閾が高く感じられたのですね。そこで、そんなに高くなかったリーボックの確か TAIKAN という靴を買いました。底は厚かったように思いますが、そこそこ軽い。しかしサイズの選び方を間違えました。小さすぎて、足の爪の下に内出血を起こしてそのうちに履かなくなりました。

雑誌などを見ると「初心者用」「中級者用」などに別れて靴の紹介があります。
それを見て選択したのが Adidas Age 2 ですね。
底も厚いのですが、名前も忘れたいろんな装置がついております。その頃の10キロも満足に走れない走力では靴の違いもそんなに気にならなかったでしょうか。勿体無いことにそんなに履かないうちに、靴遍歴が始まってしまいほとんど履かなくなりました。

この手の雑誌を見て、「買おう」「きっとこの靴を履いたら、楽に、速く、距離を走れるのではないか」と期待をふくらませて買い、大変残念な思いをしたのが、次の靴です。
 アシックスのGT-2160ニューヨーク。悪い靴ではないと思うのですが、私には合わなかった・・・。雑誌に書かれている「グローバルスタンダード」「ニューヨークマラソンで、使用率がNo.1」などの文句に、良くも考えず引かれてしまったのが間違いでした。
 典型的なスタビリティー・シューですが、おそらくソールに使われているゲルの為か、走り始めて足が地面にのめり込むような感じがして、どんどん足が疲れてゆく。このころからでしょうか。「走っていて、気持ちがよい靴を選ぶ」ということを真剣に考え始めたのは。そして、海外のサイトなどで紹介されている靴に関しては、自分なりに良く消化してそのお勧めを理解する必要があることを痛感しました。

 私は御世辞にもランナー体型では無いのですが、この体をアメリカ人の中に放りこめば「小さい、痩せっぽち」になります。GT-2160は、もっと背が高くて体重が重い大多数の(外国の)ランナーにはベストセラーにはなっても、比較的体重が軽い人にはおそらく不必要な要素が盛り込まれているように思うのです。

 そしてちょうどこの頃に読んだ何冊の本や、ブログに影響を受けて、軽くて、底が薄い靴へと疾走(失踪?)し始めます。
Born To Run」クリストファー・マクドューガル著
非常識マラソンメソッド」岩本能史著
 
 ブログの中では、「Runblogger」by Peter Larson が出色。生物学の大学教員ですが、自身も走り始め、学者としてランニング・フォーム、靴などを追求するうちに、「ミニマリスト」つまり過度な装置が付いていないシューズに行きあたった人です。その趣味が高じてか、おそらく専門外のランニングの論文を書いたり「Tread Lightly」というランニングに関する本を書いています。文章は分かりやすいし、科学的だし、なによりバランスが取れているのでその意見は非常に参考になります。英語圏のランニングブログでも非常に人気のブログサイトです。

 これらを参考に、どんな靴に手を、いや足を出していったか、今はどのような靴に落ち着いたかはまた追々書きます。

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